気功ではさまざまな手法がありますが、たんとうこう・すわいしょうの2つは重要な基本動作とされています。このページでは、「スワイショウ」について解説いたします。
スワイショウとは
気功では形意拳家の秘伝の宝で、どんな状況でも緊張と弛緩をコントロールするための武術の鍛練方法として重要視されています。
スワイショウのやり方
手を前後にぶらぶらと動かすだけのシンプルな動作です。
手を振って、邪気(マイナスエネルギー)を指先から放り投げるイメージです。
基本のスワイショウ
(1)基本姿勢で立ち、腕の力を抜いて前後に振る。
画像出典:少林寺気功健康法―中国武術の総本山少林寺が伝える秘法
(2)腕を前に振ったとき重心をわずかに後ろに写し、腰が引ける感じにする。
腕後ろのとき腰を前に出し、足の指先を少し持ち上げる。
※上の図では足の指先を持ち上げていますが、基本形は指先は上げずに普通に立ったまま手を前後に振るだけです。
スワイショウの回数・時間
本や気功のやり方サイトを見ると、振る回数は特に決まっていないようですが、私が指導を受けている気功教室では、
「1、2、3、4、5、6、7、8、9」と、九までを数えながら、数に合わせて10分ほど振っています。
数えるスピードは、だいたい1秒間隔。1秒で前後に振る感じです。
1ポーズにつき、「1〜9」までの数を約20回繰り返します。
早すぎるならゆるめてもOK、自分のペースでリラックスしてブラブラ振ります。
スワイショウのポーズはこの5パターンです。
- 立ったまま手だけを振る
- 手を後ろに振る時につま先をあげるポーズ
- 屈伸しながら手を振る
- また立ったまま手だけ振る
- 手を後ろに振る時に顔を上に向けて体をそらせる
1つのポーズに約2分間なので、5パターンのスワイショウをやるとだいたい10分くらいになっています。
1ポーズの数える回数を30回にすると、5パターン行って15分ほどになります。
音楽を聴きながら、テレビを見ながら、または家族とおしゃべりしながらでも構いません。
(※静かな環境で瞑想しながら行うように指導している流派もあります)
気持ちを楽にしてからだをほぐしていくことが大切です。
日常生活で息抜きのときにやる場合は5分でも大丈夫。
肩の力が抜けてストレッチと同じような爽快感があります。
ひねりスワイショウ
これに似たもので「ひねりスワイショウ」というものあります。
これも肩こりに大変よく効きます。(私は個人的にこれが一番疲れをとれる感じなので気に入っています)
上半身の力を抜いて、前後ではなく左右に大きく振ります。
画像出典:ミラクルを呼ぶ荒井式・中心気功法
腕を動かすのではなく、腰を左右に回転させることで結果として両腕がブラブラとついてくる状態を作るのがコツです。
うつなどに悩んでいる人は、頭に不安や恐れなどさまざまなマイナスの気が詰まってしまっているのですが、この動作を繰り返しおこなっていると頭に溜まっていた悩みや不安がどんどん落ちていき、思考がクリアになっていきます。
スワイショウの効果
♦すわいしょうの主な効果
- 胃腸病
- 喘息
- 神経症
- 眩暈
- 不眠症
- 肝臓病
- 心臓病
- 肩凝り
- 更年期諸症状
スワイショウは、腕をふることで内臓を刺激し、自律神経を整える効果があると言われています。
したがって、内臓に関する不調の改善や、更年期に現れるさまざまな症状の改善が期待できます。
スワイショウは、シンプルですが奥が深い気功の型です。
立つスペースさえあればできる簡単なものなので、疲れがたまっているときや気分をリフレッシュしたいときに取り組みやすいですね。