いろんな考えが頭の中をぐるぐるまわったり、緊張感やドキドキがおさまらないってありますよね。そんな雑念を払う気をコントロールする「気功の技」やさまざまな方法をご紹介します。
手を前後に振りながら数を数える
数を数えることに意識を集中させて、雑念を取り払う方法です。
気功ではこれを「数息法(すうそくほう)」といいます。
禅では「数息観(すそくかん)」と呼ばれています。
数息法のやり方
まず、気功の「スワイショウ」を行います。
1. 基本姿勢で立ち、腕の力を抜いて前後に振ります。腕を振って前に出すときに、邪気を前に放り投げるイメージで。
2. 振りながら「いち・に・さん・し・・・」と、数を数えます。
できれば、つぶやく程度でも良いので声に出すと良いです。
3. ひたすら手を振りながら、1から9までを、何回も繰り返します。
(9でなくても構わないのですが、中国では「9」は縁起のよい数字で「10」は終わりを意味するからよくないという考えのため、中国発祥の気功では10まで数えないことが多いようです。)
なぜ雑念が払えるのか?
考えるつもりでなくても、次々と湧いてくる不思議な「雑念」。
これは「潜在意識」の中にある考えや思いであり、自分でコントロールできないのが厄介なところです。
でも意識的に「何かをしなければならない」状態におかれると、余計なことを考える隙がなくなります。
「数を数える」ためには、頭で数を思い浮かべてそれを声帯を使って発するという神経伝達作業が必要。
これを利用して、潜在意識のごちゃごちゃしたまとまりつかない考えを封じ込めるのです。
まず、最初に何も言わずに静かに手を降る動作だけをやってみてください。
多分、いろいろと考えが浮かんでくると思います。
でもそのあと、数を数えながら同じ動作をするとあら不思議。
本当に何も考えられなくなるのです(笑)
それでももし、慣れてきて数を数えながらでも雑念が湧いてきてしまったら?
これは私のやり方ですが、英語で数えてみるのです。
英語の数(ワン、ツー、スリー)、または月を英語で。(January、Februaly、March)
記憶から引き出すことにいっぱいいっぱいになり、
仕事や家事や人間関係や日常トラブルのことなどは脳内に入り込めなくなります。
そのほかの雑念を払う方法
「数息法」以外の雑念を払う方法についてもご紹介しましょう。
丹田呼吸法
鼻から吸って、ゆっくり口からふぅーっと長く吐く呼吸法です。
みぞおちや肩などに力を入れすぎず、おへその下にある臍下丹田を意識します。
ただひたすら、「吐く」「吸う」ことに意識を向け、「今」に集中します。
ブッダは、体を痛めつける修行などしなくてもこれで脳が覚醒することを発見し、悟りを開いたと言われています。
この方法は科学的にも理にかなっていることが証明されています。
自然界のものを眺める
ろうそく・雲・月・川など自然界のものを眺めて自然の動きを観察します。
それと自分が一体化するような感覚になれば瞑想に入った状態であり、雑念が払われていることになります。
歩く・ストレッチをする
歩きながら「右足」「左足」そして「呼吸」に意識を向けること、これも立派な瞑想の方法であり、雑念を排除します。
ストレッチも、伸ばす部位の感覚に意識を向け、体の神経を研ぎ澄まし、「あーここは痛いな」「つっぱっているな」などと、「感じること」に集中してみます。
このように体の声を真剣に聞くというのは、案外意識しないとやらないものです。
日頃お世話になっているカラダに意識を向けてみると、余計な考えは出てくる隙がなくなります。
音楽を聴く・演奏する
好きな音楽を味わっているときは心身ともに無心になれるので、これもまた「今ここ」に集中していて雑念とは無縁。
心地よいと感じる音楽には、疲れを解放させる大きなパワーがあります。
音楽を聞いてテンションが上がったり気持ちよく感じているときは瞑想に近い状態。
でも音楽を聞いてもその世界観に浸りきれなかったり、考え事が次々と湧いてくるようであれば、口ずさんでみたり自分の呼吸を意識しながら聞いてみてください。
「歌う」「演奏する」というのは、自分の五感をフルに使って集中するので、雑念を払いのける力が大きいのです。
「数息法」と同じ原理ですね。
ただし、ひとつ注意。
雑念を払いたいだけなら音楽は効果的なのですが、勉強など何かに集中しなければならないときは逆効果のことも。
五感が音楽へ反応することに使われてしまい、記憶や学習といった脳の領域が働かなくなってしまいます。
勉強に取り掛かる前に音楽を聞いて雑念を飛ばして頭をクリアにするのであれば、そのあとの集中力は増すでしょう。
まとめ
さまざまな雑念を払う方法をご紹介しました。
気持ちが晴れないとき、イライラを鎮めたいとき、ここぞというときに力を発揮したいとき。
このような方法をいくつか知っておくと、自分の感情(気)をコントロールすることができるので便利です。
お役に立てれば幸いです。