2018年秋、18歳の息子が扁桃腺の除去手術を受けました。
扁桃腺手術の時間や入院期間、痛みはどのくらいでいつまで続くかなど、私も息子もかなりネット情報を参考にしました。
今回の息子の体験も、今後手術に臨まれる方の参考になれば幸いです。
扁桃腺手術前の症状
扁桃腺がなんか変!?
と息子が言い出したのは、高校生のころでした。
のどの奥の「臭い(におい)玉」が気になる、と言い、よく自分でのどの奥をさわったりかきだそうとしていました。
のぞいて見ると、のどの左右が異様に張り出している感じ。
でも頻繁に高熱が出るわけでもないし… と放っていました。
高校を卒業して専門学校に通い始めた息子。
私は毎日接しているので気にしていなかったのですが、久々に会う中学校時代の友達から「おまえ、声どうした!?」と言われるように。
たしかにくぐもって聞き取りにくいとは思っていましたが、反抗期のぶすっとした態度のひとつかなーくらいに私は軽く考えており(スマン、息子よ)、実は扁桃腺が異常に肥大化しているとは思っておりませんでした。
その頃(病院に行く前)の症状です。
- 声がくぐもって聞き取りにくい
- いびきが大きい
- 風邪をひくたびにのどの痛みが激しい
息子と私でネットでいろいろ調べてみて、この扁桃腺は「手術でとることができる」ことを知りました。
しかし手術には痛みはもちろん、後遺症や味覚異常などのリスクもあるとのこと。
また、大きさによっては手術でなくても薬で落ち着かせる方法もあるらしい、という情報もありました。
そもそもどれほどの状態なのか、手術は必要かどうか?を確認してもらうため、まずは近所の耳鼻科に相談しました。
耳鼻科から総合病院入院まで
近所の耳鼻科の先生の第一声。
ほかの方法など相談するまでもなく、手術一択でした。
その耳鼻科には手術・入院設備はないので、いくつかの病院を候補にあげ、「どこでも好きなところ選んで〜 紹介状書くから」とのご提案。
すぐにお返事する必要はなく、手術・入院先を決めたら連絡することになりました。
ご近所さん数人(看護師さん含む)に、耳鼻科の評判を聞いてから入院先を決め、紹介状を書いてもらいました。
このときいろんな人に扁桃腺手術について聞いてみたのですが、詳しい人が意外と多くてびっくり。
「昔やった」とか「子供が小さい時にとった」とか「知り合いが…」など、そう珍しい話ではないことを知りました。
紹介先の病院に入院するまで
耳鼻科医に書いてもらった紹介状をもって、大きな総合病院へ向かいました。
しかし、すぐに「手術の予約」とはいきませんでした。
扁桃腺肥大はそのままにしておく人も少なからずいて、個人差が大きく生死に関わらないため、安易に手術することを勧めない方針のようです。(病院によって考え方が違うらしいですね)
本当に手術が必要かどうか、生活に支障があるかどうか、本当に取ることで改善が期待できるのか、本人の意思はどうなのかを見極めてからでないと、手術の段取りに進んでくれません。最初の検査項目も膨大で、約半日かかりました。
という簡単な話ではないようですね。
手術の目安は、年に何回扁桃腺が腫れて熱が出ているか?ということが重要とのこと。
実際、息子はそんなに熱が頻繁に出ているわけではなかったのですが、いびきが大きいと話すと「睡眠時無呼吸症候群」の可能性がある、とのこと。検査をすることになりました。(自宅に検査キットを持ち帰り、装着していびきや無呼吸の状態をデータ保存)
結果、案の定いびきがひどく、無呼吸の症状も頻繁にみられたので手術は妥当である、と判断されました。
こうしてめでたく入院が決定。
診断名は「慢性扁桃炎」、担当医師によると、扁桃腺の大きさは4段階中の「4」、つまり最大級。
口開けてのどをみると、のどの奥が指1本分くらいしかあいてない状態でした。
もっと早く連れて行けばよかった・・・と反省。
(高校生までだったら医療費も母子家庭で無料だったし・・・)
入院期間は1週間
入院日は、いつにしても良いというものではなく、「検査から1ヵ月以内」でなければなりません。
あまり時間がたってしまうと、体の状態が検査のときから変わってしまうからなんですね。
その中で、学校の予定などを考慮して入院日・手術日を決定します。
初診からずーっと、「ほんとに手術したいのか?辛いのか?」と尋問するように繰り返し意思を確認していた担当の先生。
ときには厳しい言い方で、「やっぱりやめます」って言わせたいのかな?と思うこともしばしば。
しかし、手術すると決定してからは本当に親身になってくださいました。
手術日・入院日についても可能な限りこちらの都合を聞いてくれたし、入院までの準備や手術の心構えなどをこちらが納得するまで説明してくださり、不安をなくすことができました。
最初にかんたんに手術を許可せず、ものすごく厳しい検査や言い方で追求していたのは、患者の覚悟をテストしていたのかなと思いました。
実際は、何を目的とした手術かで控除や保険適用が変わってくるので細かい検査と問診が重要だったのか…と後からわかりましたが、最初から最後まで先生の真摯な対応は本当に心強かったです。
入院は、手術の前日。
手術後6日間療養してから退院。
トータル1週間の入院となりました。
扁桃腺除去、手術時間は約1時間
病室から手術室へは徒歩でした。
元気に手を振って病室をあとにする息子。
私は手術が終わるまでデイルームで待機です。
待つこと1時間半くらいで終わったと連絡。
そこから30分後、ベッドに寝かされた状態で部屋に戻ってきました。
それを見届けてから執刀した主治医の先生の話を伺いに、手術室の階の指定された部屋へ。
摘出したブツを見せてくれながら、手術の経過・様子を説明してくれました。
ブツ(先生は「検体」と言っていた)のそれぞれ大きさは、小さい子供のこぶしくらい。
担当先生が今まで摘出した扁桃腺の中でも最大級、「上の上」だったそうです。
私が待っていた時間は1時間半でしたが、麻酔やいろいろ事前にあるので手術自体は1時間もかからなかったそうです。
予定より早く終わったとのことでした。
味覚障害は?
いろんなサイトで体験談をみると、手術後「味覚がなくなった」「味が変になった」という意見を少なからずみかけました。
味覚障害の期間も意見はさまざま、長引く人は半年や1年近く味がわからなかったという人も。
これは、手術のときに口を大きくあけて舌を固定する器具で押さえつけることで神経が圧迫され、麻痺してしまうからだそうです。
おそらく、手術が長引けば長引くほど、この「麻痺」が出やすいのだと思います。
この後遺症がなければいいと祈る思いで、退院後に自宅で味の薄い具なしの茶碗蒸しを出してやりました。
「うめぇ〜 (T^T) 」といって完食しており、ほっとひと安心。
息子の主治医は腕が良く短時間で手術を終えてくださったためか、味に関する問題は一切ありませんでした。
手術後の痛みはいつまで?
うちの息子の場合、2週間で痛みはおさまりました。
手術後1週間は治癒経過看護のため入院、その間ほとんど固形物は食べられず。
痛み止めは点滴とロキソニン。それでもダメなら座薬だそうですが、恥ずかしさもあってそれはやらなかったようです。
退院後も1週間(=手術後2週間まで)は家でも学校でも痛みとの戦いです。
特に朝起きた時が痛みMAXのようで、起きてすぐにロキソニンを飲んでました。
学校には、おかゆや雑炊をスープポットに入れて持って行かせました。
↑これはイメージ画像の雑炊ですが、この写真のネギでさえ「固形物」としてのどにあたって痛かったようです。
ごはん粒も形がわからなくなるほどやわらかくぐずぐずにしないと痛がっていました。
一番つらいのはもちろん本人ですが、親も大変です。
ウィダーインゼリーとか栄養あっていいかなと思ったのですが、フルーツ風味がどうもしみてしまうらしく、全然だめでした。
とにかく少しでも痛くないもの、そして栄養もとれるものとなると、やっぱり茶碗蒸しかプリンか雑炊か・・・
筋トレで鍛えた体がみるみる細くなり、体重激落ち。
しかし若いからおなかはすくし、本当に見ていてかわいそうでした。
でもそんな日々もつかの間。
退院後1週間たつ頃(手術後2週間)には、ほとんど痛み止めも飲まず、やわらかめの固形物も少し味の濃いものも食べられるように。
学校帰りに勇気を出してマックの三角チョコパイを買ってみた息子。
と、喜びのLINEメッセージを家族に写真付きで送信するほど感動した様子。(笑)
帰宅した息子ののどを見ると、白く覆われていた患部がピンクに変わっていました。
その日の晩は、本人の希望で宅配ピザを注文し、家族でお祝いです。
食べるのに時間はかかりましたが、嬉しそうにピザをほおばっていました。
人によって長い場合は数ヶ月から半年ほど痛みや違和感を感じることもあるそうですが、うちの息子の場合は痛みは術後2週間まで、違和感は1ヵ月間程度でした。若い人の回復力はすごい!
後遺症もなく順調に治癒してくれて本当にほっと胸を撫でおろしました。
初診から退院までの日数
耳鼻科初診から総合病院退院までは約2ヵ月でした。
ざっくり↓こんな感じです。
- 8月末 近所の耳鼻科で受診、紹介状書いてもらう
- 9月初旬 手術のできる大きな病院へ初受診・手術予定日決定
- 9月中旬 手術前検査 (採血・心電図・各種機能の検査)
- 9月下旬 自宅で睡眠時無呼吸の検査
- 10月上旬 検査結果報告、手術最終説明(母のみ)
- 10月下旬 入院、手術 1週間
- 10月末 退院
次回は、かかった費用についてです。
日本の医療制度って素晴らしい…と感動した話。
入院準備と退院後の食事についての振り返りはこちらの記事にまとめました。