気功ではさまざまな手法がありますが、たんとうこう・すわいしょうの2つは重要な基本動作とされています。このページでは、「タントウコウ」の立ち方や効果、練習のコツについてご説明いたします。
タントウコウ(たんとうこう)とは
タントウコウは気功や太極拳においては非常に重要な位置づけで、「タントウコウに始まりタントウコウに終わる」とまで称されています。
立った姿勢で瞑想することで体内の気血循環を高め、人が本来持っている力である「氣」をコントロールできるようにする練功法です。
立ったまま禅をするので「立禅(りつぜん)」とも言われます。
タントウコウの立ち方
タントウコウにはいろんな種類がありますが、基本のタントウコウについて解説します。
- 両足を肩幅の1.5倍くらいに開く。
- ひざを曲げ、腰を落とす。
ひざがつま先より前に出ないように、お尻を突き出さないように注意しながら、椅子に座るような姿勢で腰を落とす。 - 丹田を中心に気のボールが体のまわりにあるとイメージして、両手でそのボールを抱えるように構える。
腕の力を抜き、持ち上げるのではなく外側からボールを抱える形で。
※冷え性対策の場合は、「熱い鉄板の上に乗っている」「ボールが温かくふんわりしている」とイメージします。
両足の下にも気のボールがある、とイメージする。 - 腹式呼吸にして、15分から30分、その姿勢を保つ。
※達人は逆腹式呼吸にして、1時間、2時間、やるそうです。
音楽を聴きながらでも、テレビを見ながらでもよいです。
(※静かな環境で瞑想しながら行うように指導している流派もあります)
リラックスした状態であればOKです。
長く立ち続けるコツ
立っているだけの「タントウコウ」ですが、この姿勢をずーっと維持するのはけっこうキツイです。
私が気功を始めたばかりの頃は、5分くらいで膝と太ももがプルプルと震えてギブアップしていました。
「膝を軽く曲げて、でもつま先よりも膝が前に出ないように」するのが難しいんですよね。
気功歴の長い人は、この無理な姿勢のまま瞑想に入り、至福感を味わうと聞きます。
(お恥ずかしながら、歴7年の私はまだそこまでの境地に至ったことはありません笑)
気功の達人は、まるで空気椅子のような角度で腰を落として何十分も瞑想状態に入りますが、普通はそんなことは無理!
私が指導を受けている気功の先生に尋ねましたら、そんなときはつらくないと思う角度で立って良いそうです。
大事なのは、ポーズの正確さより、両手に「気のボールを抱えている」とイメージすること。
慣れてきたら少しずつ基本の立ち方に近づけて、時間も伸ばしていくと良いそうです。
また、心地よい好きな音楽を聞きながら、またはテレビでも見ながら行っても構わないとのことです。
(実際、私の通う教室でタントウコウを行うときは、ゆったりとした音楽をかけています)
タントウコウの効果
♦たんとうこうの主な効果
- 血行促進
- 内蔵強化(特に腎臓)
- 足腰を鍛える
- 集中力UP
- 毒素排出(デトックス)
立ったままの姿勢を維持するだけの気功。
一見地味に見えますが、第2の心臓と言われる大腿筋を刺激することで、身体や心臓に負担をかけることなく血流がマラソンランナーと同等に体中を巡ります。
これが老化防止に非常に効果的なのです。
また同時に瞑想を行うので、うまく集中できると岩盤浴のように体があたたまり、汗をかいて体の毒素を体外に排出するデトックス効果があります。
気功の重要な技法のひとつ「タントウコウ」について解説いたしました。
派手さはありませんが、内臓を強化する意外とハードな筋トレです。
しかしこれをマスターすれば、気功の真髄を身につけたも同然。
立つスペースさえあればできる簡単なものなので、少しずつ習得していきたいですね。